お墓の耐震工事
目 次
私たちが行っている様々な耐震細工をご紹介
石工に受け継がれてきた技・知識を
現代に応用しながら耐震加工に生かします。
石ホゾ出し・ホゾ穴
・加工内容詳細
上の石は出っ張りになる部分を切り出し、下の石は出っ張りを受ける穴を彫ります。
・特徴
目地がキレイに仕上がる特徴があるため、塔婆柱や小柱などに使用されている事が多い。
・注意点
石の付け根が弱点となり折れてしまう事もあるので、細い石にはお勧めできません。
付け足しホゾ
古い石の見た目を変えずに補強したい時や、
新品でも強度を持たせたいときの方法です。
・加工内容詳細
ホゾを単品の石で作成し、上下の石に穴を開けます。上下の間に緩衝材を入れる事で、付け足したホゾが割れなくなるため、上段の石ホゾ出しより丈夫な方法となります。
・特徴
小さい物は、現場で作業出来るため作業効率が良く、耐久性もある優れた工法 石を付け足すことで経年変化も無く石燈籠などの文化財にも有効。
・注意点
緩衝材を隙間に十分充填しないと動いてしまうため、外れやすくなる。
ステンレスピン加工
古い石の見た目を変えずに補強したい時や新品でも強度を持たせたいときの方法です。
石にドリル(大きい穴は穴あけ機)で穴を開けて、ステンレスピンを入れる工法。
・特徴
ドリルで穴を開けられるため現場状況で好きな場所へ加工できる。
横にも穴を開ける事で、上下左右に力を分散できるため世界で1番利用されている方法でしょう。
・注意点
隙間への充填が不十分の時は動いてしまうので、外れやすくなる
全体を根入れする方法
上の石は加工せず、下の石へ少し大きめの穴を彫り、そのまま全体を入れ込んだ後、隙間へセメントやボンドを充填する工法。
・特徴
目地がキレイに仕上がる特徴がある墓誌などの板石を調整しやすいため墓誌台に加工されている事が多い。燈篭の受け部分にも良く使用されている
・注意点
隙間へ充填が不十分な時は動いてしまうので弱くなる。受け石の穴底と入れる石の下場を同じ形状にすると落ち着きが良い。
カドで重量を受ける方法
現代では石工の手間が掛かりすぎるため余り加工されなくなった工法です
上石の下場は鋭角に面取りし、受け石の天端は平らに彫ったフチへ鈍角に面取り加工をする事で上下のカドで重量を受ける工法。重量が有るため、強い摩擦が発生して横滑り・移動を防ぐ
・特徴
目地が不要となるため現場設置は楽な反面 仮組に時間が掛かる。
セメントなどの緩衝材を使用しないので大正以前のお墓に良く加工されている。
・注意点
石工の技術に左右されるため、仮組が必須となる。
微調整に時間が掛かるため費用が発生する。
耐震加工例
日本は世界中でも有数の地震大国といえるでしょうね。 その中でも2011年に起きた「東北地方太平洋沖地震」が記憶に新しいかと思われます。 私達の工場や住まいも被害にあいました。 この地震が、どんな実験よりも耐震性を証明してくれたと思います。
私達が建てさせて頂いたお墓の中で、耐震補強したお墓は倒壊しませんでした。